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一覧に戻る2022.06.24
大谷貴子先生メッセージ「元患者からのお願い~患者の一生を診る血液内科医~」
6月23日、日本骨髄バンクの開祖大谷貴子先生に当院にお越しいただき、研修医を対象にご講演をいただきました。
自ら白血病闘病を経られた大谷先生より、患者さん目線から見た血液内科、医学生の方へ向けたメッセージを頂戴しております。
ぜひご覧ください!↓↓
-皆さん。こんにちは。私は白血病患者でした。たくさんのお医者さんたちに助けていただきましたが、とりわけ血液内科の先生とは長く長くお付き合いをさせていただいております。そんな中で、やっぱり何人かの先生に「どうしてこの過酷な血液内科を選んだのですか」と聞きました。
一様におっしゃるのは、「発病から最期まで。残念ながら亡くなるという転帰を迎えることもにあります。けれども発病から最期までを全部自分で責任がとれる、こんな科はほかにない。」っていう風に思ったとおっしゃいます。例えば他部署で手術が必要とかだと、一旦は違う先生に渡さなければならない。
けれども血液内科は発病から最後まで診られる。ましてやこうやって助かった患者の人生そのものを見れる。で、それがすごく喜びだと仰っていました。もちろん、人と長く付き合うというのは、しかも患者さんとお医者さんというのは好んで好きになったり、好んで会ったりするわけではない。なのでなかなか人間関係も大変だと思うんですけど、でも患者さんはやっぱり信頼して先生についているわけですから。その長い付き合いの中でいろんな相談ができる。そして、本当に元気になった時に先生の方も喜ばれる。そんな感じと思っています。
実は私は聖火リレーでランナーを務めさせていただきました。
オリンピックトーチを持って走る時に、コロナですごく大変だったので辞退しようかと思いました。けれども主治医の一人がこう言いました。「患者さんも喜ぶけれども、僕たち血液内科医もあぁ、白血病の患者さんがこんなに元気で走っているというのは、やはり喜びなので、ぜひ辞退をしないで走ってほしい。」と言われて走らせていただきました。
血液内科は大変だとは思います。けれども最初から最後まで患者さんの人生そのものにも関われるし、そして元気になった時に本当に心から先生、ありがとうって言ってもらえる科です。一人でも、多くの先生方に血液内科に興味を持っていただいて考えていただけると嬉しいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。元患者からのお願いでした。〈大谷貴子〉-